司会業(MC)は副業でできる?結婚式・イベント司会の仕事内容と始め方、向いている人【プロのMCに聞いた話も】

最終更新日:2021年12月3日

「人前で話すのは苦にならない」「会社のプレゼンや宴会の進行を任されることが多い」。そんな方なら、結婚式やイベントの司会(MC)を副業にすることを考えたことがあるかもしれません。

司会の仕事は週末に集中することが多く、会社員でも本業と両立しやすい面があります。一方で、仕事を得るまでの道のりや、当日に穴をあけられない責任の重さなど、始める前に知っておきたいこともあります。この記事では、司会業の仕事内容や副業としての特徴、始め方と注意点を解説し、2021年に取材したプロのMCの話も紹介します。

この記事の要点

  • 司会業には、結婚式・披露宴、企業の式典や展示会、地域のイベント、オンラインイベントなどの仕事があります。
  • 仕事は週末や祝日に集中しやすく、会社員の副業として両立しやすい面がありますが、季節による仕事の波があり、収入は安定しにくいのが特徴です。
  • 始め方は、身近な場で経験を積む、司会事務所や派遣会社に登録する、スキルを売り買いできるサービスを使うなどの方法があります。
  • 当日の打ち合わせや台本づくりなど準備にも時間がかかります。体調不良などで穴をあけたときの代わりの手配や、就業規則・確定申告も確認しておきましょう。

司会業(MC)の仕事内容

司会業は、式典やイベントの進行役として、場の流れを作る仕事です。主な仕事の場には、次のようなものがあります。

仕事の場 主な内容 求められること
結婚式・披露宴 新郎新婦との事前の打ち合わせ、当日の進行 落ち着いた進行、言葉づかい、時間の管理
結婚式の二次会・パーティー ゲームや余興の進行、場の盛り上げ 明るさ、アドリブ、場の空気を読む力
企業の式典・展示会・セミナー 式次第に沿った進行、商品やサービスの紹介 ビジネスの場に合った話し方、正確さ
地域のイベント・お祭り・スポーツ大会 ステージの進行、アナウンス、出演者の紹介 屋外や大人数の場での対応力
オンラインイベント・配信 オンラインでの進行、登壇者への質問やコメントの紹介 画面越しでも伝わる話し方、機材への慣れ

同じ「司会」でも、厳粛な式典と、盛り上げが必要なパーティーとでは、求められる話し方や役割が大きく違います。自分の話し方の強みが、どの場に合うかを考えることが大切です。

副業としての司会業の特徴

週末・祝日の仕事が多く、本業と両立しやすい

結婚式やイベントは、土日や祝日に開かれることが多いため、平日に会社で働く人でも仕事を受けやすいのが特徴です。会社の休日を使って取り組めるので、本業と両立しやすい副業の一つといえます。ただし、平日の夜に打ち合わせが入ることや、企業の式典やセミナーは平日に開かれることもあります。

当日の仕事以外にも準備の時間がかかる

司会の仕事は、当日の数時間だけではありません。結婚式なら新郎新婦との打ち合わせ、進行表や台本の作成、名前の読み方の確認など、事前の準備にも時間がかかります。会場までの移動時間も含めると、1件あたりにかかる時間は思ったより長くなります。報酬は、準備や移動の時間まで含めた「実質の時給」で考えるようにしましょう。考え方は副業の時給はいくら?で解説しています。

仕事の波があり、収入は安定しにくい

結婚式やイベントは、季節によって多い時期と少ない時期があります。また、報酬は1件ごとに決まることが多く、指名や経験によって金額も大きく変わります。毎月決まった収入を得るのは難しいため、本業の収入を補う副業として考えるのが現実的です。

当日に穴をあけられない責任がある

司会は、その日その場にいなければ成り立たない仕事です。体調を崩した、本業で急な休日出勤が入った、といった理由で行けなくなると、式やイベントそのものに大きな影響が出ます。事務所に所属していれば代わりの司会者を手配してもらえることもありますが、個人で受ける場合は、もしものときにどうするかを事前に決めておく必要があります。

司会業に向いている人

  • 人前で話すことに抵抗がない人:社内のプレゼンや会議の進行、宴会の幹事などで、人前に立つ経験がある人は強みを生かせます。
  • 相手の話を引き出せる人:司会は自分が話すだけでなく、登壇者やゲストの話を引き出し、引き立てる役割も担います。
  • 臨機応変に対応できる人:進行が予定どおりにいかないことはよくあります。時間の調整や、思わぬトラブルに落ち着いて対応できる力が求められます。
  • 準備をていねいにできる人:名前の読み方や式次第の確認など、細かい準備の積み重ねが、当日の落ち着いた進行につながります。

営業や接客など、本業でお客様と話す仕事をしている人は、ビジネスの場に合った言葉づかいや、相手に合わせた話し方が身についていることが多く、司会の仕事にも生かしやすいでしょう。

副業で司会業を始める方法

①身近な場で経験を積む

まずは、社内イベントや友人の結婚式の二次会、地域の行事など、身近な場で司会を引き受けてみましょう。司会の仕事を得るうえで、実際にどんな場でどれだけ司会をしてきたかという経験は大きなアピールになります。経験を重ねながら、自分がどんな場の司会に向いているかを見極めることもできます。

②話し方の基礎を身につける

発声や滑舌、正しい敬語といった話し方の基礎は、本や動画、話し方の講座などで学べます。司会者を養成するスクールもありますが、受講料は決して安くありません。「受講すれば仕事を紹介する」「必ず稼げる」といった説明だけで決めず、仕事の紹介の実績や条件、解約や返金の条件を確認してから申し込みましょう。

③司会事務所や派遣会社に登録する

結婚式やイベントに司会者を派遣する事務所や会社に所属・登録し、仕事を紹介してもらう方法です。オーディションや研修がある場合もあります。事務所を通すと仕事を得やすく、打ち合わせの進め方などを教えてもらえることもありますが、報酬から手数料が引かれるのが一般的です。所属する前に、報酬の支払い方法や、副業でも登録できるかを確認しましょう。

④スキルを売り買いできるサービスを使う

個人のスキルを売り買いできるサービスに、司会の仕事を出品する方法もあります。結婚式の二次会や社内イベント、オンラインイベントの司会などの依頼を受けられることがあります。最初は実績を作ることを優先し、受けた仕事の評価を積み重ねていきましょう。

副業で司会業をするときの注意点

  • 就業規則を確認する:副業のルールは勤務先によって異なります。必要であれば人事や上司に相談したうえで始めましょう。週末の仕事でも、本業の休日出勤と重なったときの対応を考えておく必要があります。詳しくは副業禁止は違法?で解説しています。
  • 体調の管理と、もしものときの備え:当日に穴をあけないよう、前日は無理をしないなど体調の管理を心がけ、行けなくなった場合の連絡先や代わりの手配を事前に確認しておきましょう。
  • 契約の条件を確認する:報酬の金額と支払日、打ち合わせや交通費の扱い、キャンセルになった場合の扱いを、引き受ける前に確認しましょう。事務所や企業から仕事を受ける場合、インボイス制度の登録について聞かれることもあります。
  • 確定申告の要否を確認する:会社員の場合、副業の所得(報酬から交通費や衣装代などの経費を引いた金額)が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。20万円以下でも、住民税の申告は必要です。詳しくは副業の確定申告のやり方をご覧ください。

週末に副業をすると、休む時間が少なくなりがちです。本業との両立のコツは副業と本業を両立するコツ7つで解説しています。

【2021年取材】プロのMCに聞いた、副業としての司会業

ここからは、2021年に副業アカデミーが取材した、プロのMCの話を紹介します。内容は取材当時のものです。

お話を聞いたのは、「MCニシガキ」として活動するニシガキさんです。大阪府出身で、俳優として活動したのち、26歳でフリーのMCに転身しました。関西弁を生かした盛り上げ役から、標準語でのフォーマルな司会進行まで、場に合わせて使い分けているそうです。取材当時、2015年からは司会の講師としての活動もしていました。

趣味の延長から仕事に

ニシガキさんは、俳優を目指して学んでいたころから、学内のイベントやライブハウスなどで司会を任される機会が多かったそうです。

「趣味の延長線として仕事になって、最初は楽しくてやっていただけ」

少しずつ報酬を受け取るようになり、司会の仕事がビジネスになると気づいたことが、MCとして独立するきっかけになったといいます。

司会は副業に向いている?

取材の中でニシガキさんは、司会の仕事はイベントごとが中心で、季節によって仕事の多い時期と少ない時期の波があると話していました。そのため、司会の仕事だけで生計を立てるのは難しく、平日は別の仕事をしながら週末に司会をする人も多いそうです。ご自身がレッスンをする際にも、受講生には「本業ではMCはあまりお勧めしていない」と伝えているとのことでした。

大切なのは「現場での適応力」

ニシガキさんが、司会者としていちばんのアピールポイントになると話していたのが、現場での適応力です。どれだけ練習を積み、台本を読み込んでも、実際の現場で対応できるかどうかが問われます。どんな場で、どれだけ司会をしてきたかという実践の経験が、信用につながるといいます。

また、司会の仕事は場によって求められることが大きく違うため、自分の話し方の強みに合う仕事を探すのが、最初は大変だとも話していました。

会社員こそ司会に向いている

ニシガキさんが注目していたのは、会社員として働く人です。

「ビジネスマン出身の方は、僕はもっとMCをやったほうが良いと思っています」

営業やプレゼンに慣れている人や、社内のイベントで人前に立つ機会が多い人は、司会に必要な感覚を持っていることが多く、発声や滑舌を鍛えて現場に慣れれば十分に取り組める、というのがニシガキさんの考えでした。

(参考)MCニシガキ 司会事務所WEST-KID WEB SITE

よくある質問

Q. 司会業は副業でできますか?

A. できます。結婚式やイベントは土日や祝日に開かれることが多いため、平日に会社で働く人でも仕事を受けやすい副業です。ただし、勤務先の就業規則で副業が認められているかを確認し、本業の休日出勤と重なったときの対応も考えておきましょう。

Q. 司会業にはどんな仕事がありますか?

A. 結婚式・披露宴、結婚式の二次会やパーティー、企業の式典や展示会・セミナー、地域のイベントやお祭り、オンラインイベントなどの司会があります。厳粛な式典と盛り上げが必要なパーティーとでは求められる話し方が違うので、自分の強みに合う場を選ぶことが大切です。

Q. 未経験でも司会の副業は始められますか?

A. 始められますが、まずは経験を積むことが大切です。社内イベントや友人の結婚式の二次会、地域の行事などで司会を引き受け、実績を作りましょう。話し方の基礎は、本や動画、講座などで学べます。経験を重ねたら、司会事務所への登録や、スキルを売り買いできるサービスでの出品を考えるとよいでしょう。

Q. 司会業の副業は稼げますか?

A. 報酬は1件ごとに決まることが多く、仕事の場や経験、指名の有無によって大きく変わります。また、季節によって仕事の波があり、毎月決まった収入を得るのは難しいのが現実です。打ち合わせや台本づくり、移動の時間も含めて、割に合うかを考えましょう。

Q. 司会業に向いているのはどんな人ですか?

A. 人前で話すことに抵抗がない人、相手の話を引き出せる人、臨機応変に対応できる人、細かい準備をていねいにできる人が向いています。営業や接客、プレゼンなど、本業で人と話す経験が多い会社員は、その経験を生かしやすいでしょう。

Q. 司会者の養成スクールには通ったほうがいいですか?

A. 必須ではありません。話し方の基礎は本や動画、比較的手ごろな講座でも学べます。スクールに通う場合は、受講料が高額になることもあるため、「受講すれば仕事を紹介する」「必ず稼げる」といった説明だけで決めず、仕事の紹介の実績や条件、解約や返金の条件を確認してから申し込みましょう。

Q. 当日に体調を崩して司会ができなくなったらどうなりますか?

A. 司会者が来られないと、式やイベントに大きな影響が出ます。事務所に所属している場合は代わりの司会者を手配してもらえることもありますが、個人で仕事を受ける場合は、もしものときの連絡先や代わりの手配について、事前に依頼主と取り決めておきましょう。日頃の体調管理も大切です。

Q. 司会業の副業でも確定申告は必要ですか?

A. 会社員の場合、副業の所得(報酬から交通費や衣装代などの経費を引いた金額)が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。20万円以下でも、住民税の申告は必要です。経費になるものの領収書は保管しておきましょう。

※この記事は、執筆時点の公開情報をもとに一般的な内容をまとめたもので、収入を保証するものではありません。取材の内容は2021年当時のもので、個人の経験と考えにもとづくものです。税金や制度の扱いは変わることがあるため、最新の情報は国税庁などの公式の案内で確認してください。

まとめ

司会業は、結婚式やイベントが週末に集中しやすいことから、会社員でも本業と両立しやすい副業です。人前で話すことや、場の流れを作ることが得意な人は、本業で身につけた経験を生かせます。

一方で、事前の準備にも時間がかかり、季節による仕事の波があるため、収入は安定しにくいのが現実です。当日に穴をあけられない責任もあります。まずは身近な場で経験を積み、自分に合う場を見つけながら、無理のない範囲で始めてみてください。

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