副業の確定申告のやり方|20万円ルール・必要書類・期限と、無料で相談できる窓口
最終更新日:2025年2月13日

副業で収入を得たら、確定申告が必要になるかもしれません。会社員は普段、税金の手続きを会社に任せているので、「何をすればいいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、副業の確定申告が必要になる条件、申告の手順、必要な書類、期限を解説します。あわせて、自分だけで申告するのが不安な方のために、無料で相談できる窓口も紹介します。
この記事の要点
- 会社員の副業は、副業の「所得」(収入から経費を引いた金額)が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。
- 20万円以下でも、住民税の申告は必要です。
- 確定申告の期間は、例年2月16日〜3月15日です。スマホとマイナンバーカードがあれば、自宅から申告できます。
- 初めてで不安な方は、税理士会や市区町村、税務署が開く無料の申告相談を利用すると安心です。
副業の確定申告が必要になる条件
副業の所得が年間20万円を超えたら必要
会社員の所得税は、会社が毎月の給与から天引きし、年末調整で1年分を精算しています。そのため、給与以外の収入がなければ、自分で確定申告をする必要は基本的にありません。
ただし、副業などで給与以外の所得が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要です。ここでの「所得」は、副業の収入から必要経費を差し引いた金額です。たとえば、副業の売上が30万円で経費が12万円なら、所得は18万円なので、所得税の確定申告は原則不要です。
この20万円ルールは、給与を1か所から受け取っていて、年末調整を受けている会社員が対象です。詳しくは「副業の20万円ルールを解説した記事」もご覧ください。
副業がアルバイト・パートの場合
副業先でも雇用されて給与をもらっている場合(給与を2か所以上から受け取っている場合)は、判定の仕方が少し変わります。年末調整をしていないほうの給与の収入金額と、給与以外の所得の合計が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。給与の場合は経費を引けないので、「収入金額」で判定する点に注意してください。
20万円以下でも、住民税の申告は必要
20万円ルールは所得税だけのルールで、住民税にはありません。副業の所得が20万円以下で確定申告をしない場合でも、お住まいの市区町村に住民税の申告が必要です。確定申告をすれば、その内容が市区町村にも伝わるので、住民税の申告を別にする必要はありません。
医療費控除などで確定申告するときは、副業分も含める
副業の所得が20万円以下でも、医療費控除や住宅ローン控除(初年度)などのために確定申告をする場合は、副業の所得も含めて申告する必要があります。「20万円以下だから書かなくていい」とはならないので注意してください。
副業の所得の種類を確認しよう
確定申告では、所得をその種類ごとに計算します。副業でよく出てくるのは、次の3つです。
| 所得の種類 | 副業の例 | 計算のしかた |
|---|---|---|
| 給与所得 | アルバイト・パートなど、雇用契約で働く副業 | 本業と副業の源泉徴収票の金額をもとに計算 |
| 雑所得 | クラウドソーシングのライティング、ブログ・アフィリエイトなど | 収入 − 必要経費 |
| 事業所得 | 事業といえる規模・継続性で行い、帳簿をつけている副業 | 収入 − 必要経費 |
業務委託などの副業が「雑所得」と「事業所得」のどちらになるかは、2022年分から、取引を記録した帳簿書類を保存しているかどうかが判断の目安になっています。帳簿書類の保存がない場合は、原則として雑所得になります。
なお、生活で使っていた不用品をフリマアプリで売って得たお金は、原則として課税されません(1点30万円を超える貴金属や美術品などを除く)。一方、売るために仕入れて販売する「せどり」は、副業の所得として申告が必要です。
確定申告のやり方:5つの手順
手順1. 1年間の収入と経費をまとめる
所得税は、1月1日から12月31日までの1年間で計算します。副業の収入と、そのためにかかった経費(仕入れ代、交通費、通信費の副業で使った分など)を集計しましょう。
経費として計上するには、領収書やレシートなどの記録が必要です。年末にまとめて集めるのは大変なので、日ごろから保管しておくのがおすすめです。
手順2. 必要な書類をそろえる

主に次のものを用意します。
- 本業の源泉徴収票(副業がアルバイトなら、副業先の源泉徴収票も)
- 副業の収入と経費が分かる記録(帳簿、明細、領収書など)
- マイナンバーカード(e-Taxで申告する場合は、カードのパスワードも)
- 控除を受ける場合は、その証明書(生命保険料控除証明書、医療費の明細など)
- 還付金を受け取る口座の情報
手順3. 確定申告書を作成する
確定申告書は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で、画面の案内に沿って入力すれば作成できます。パソコンでもスマホでも使えます。会計ソフトやアプリで作成する方法もあります。
以前は「申告書A」と「申告書B」の2種類がありましたが、2022年分から一つの様式にまとめられています。どちらを使うか迷う必要はありません。
副業の住民税を本業の給与から天引きされたくない場合は、申告書第二表の住民税に関する欄で「自分で納付(普通徴収)」を選びます(給与以外の所得の場合)。詳しくは「副業が会社にバレない方法は?」で解説しています。
また、2025年分から、基礎控除と給与所得控除の金額が見直されています。作成コーナーやe-Taxを使えば自動で計算されますが、手書きで作成する場合は、その年分の手引きを確認してください。
手順4. 申告書を提出する

提出方法は3つあります。
- e-Tax(電子申告):自宅から24時間提出できます。スマホにマイナンバーカードの機能を入れていれば(Androidは2025年1月から、iPhoneは2025年分の申告から対応)、カードを読み取らずに送信できます。
- 郵送:確定申告書は「信書」にあたるため、郵便(第一種郵便物)か信書便で送ります。宅配便では送れません。
- 税務署の窓口に持参:時間外は、税務署の時間外収受箱に投函することもできます。
なお、2025年1月から、紙で提出した申告書の控えに、税務署が受付日の印(収受日付印)を押さなくなりました。提出した記録を手元に残しておきたい場合は、e-Taxでの提出が便利です。
手順5. 税金を納める(または還付を受ける)
税金を追加で納める必要がある場合は、申告期限(通常は3月15日)までに納付します。申告後に納付書が送られてくるわけではないので、自分で手続きをしましょう。納付方法には、e-Taxからの電子納税、口座振替(振替納税)、クレジットカード、スマホアプリ、コンビニ(QRコード)、金融機関や税務署の窓口などがあります。
税金が戻ってくる(還付される)場合は、申告書に書いた口座に振り込まれます。
確定申告の期間
確定申告の期間は、例年2月16日〜3月15日です。期限の日が土日祝日にあたる場合は、翌平日が期限になります。2026年分の確定申告は、通常どおりであれば2027年2月16日〜3月15日です。
税金が戻ってくるだけの還付申告は、1月から提出でき、対象の年の翌年1月1日から5年間さかのぼって申告できます。
確定申告を忘れたときは
期限を過ぎても申告はできます。気づいたら、できるだけ早く申告しましょう。
納める税金がある場合は、期限後の申告になると、本来の税金に加えて次のペナルティがかかることがあります。
- 延滞税:納付が遅れた日数に応じてかかる、利息のような税金
- 無申告加算税:期限内に申告しなかったことに対するペナルティ
無申告加算税は、期限から1か月以内に自主的に申告し、納める税金を期限内に全額納付している、などの条件をすべて満たせば課されません。ただし、条件があるので「1か月以内なら大丈夫」とは考えず、期限内に申告するのが基本です。
税金が還付される場合は、申告が遅れてもペナルティはありません。
一人で不安なら、無料の申告相談を利用しよう
この記事では全体の流れを紹介しましたが、実際の申告では「この支出は経費になる?」「この欄には何を書けばいい?」と、迷う場面がきっと出てきます。初めて申告する方や、少しでも不安がある方は、無料の申告相談を利用して、専門家や職員に見てもらいながら作成するのがおすすめです。間違いに気づかずに提出するよりも、ずっと安心です。
税理士による無料申告相談
確定申告の時期の前後に、各地の税理士会が、市区町村の役所や公民館などで無料の申告相談を開いています。毎年1月下旬〜2月上旬ごろに開催されることが多く、事前申込制の会場もあります。
会社員(給与所得者)や、所得が一定以下の小規模な事業・副業の方が主な対象です。土地・建物や株式の譲渡所得がある方は対象外になっていることが多いので、事前に確認してください。
市区町村の申告相談会場
多くの市区町村では、確定申告の期間中に、役所などで申告の相談・受付の会場を設けています。職員が申告書の作成を手伝ってくれる会場もあります。
ただし、青色申告をする方や、初めて事業・雑所得の収支をまとめる方などは、市区町村の会場では受け付けず、税務署での相談を案内している自治体もあります。対象かどうかは、お住まいの自治体のホームページや広報誌で確認しましょう。
税務署の確定申告会場
税務署(または税務署が設ける会場)でも、申告書の作成を相談できます。会場に入るには「入場整理券」が必要で、当日の会場配付のほか、国税庁のLINE公式アカウントから事前に取得できます。会場では、スマホでの申告を基本とした案内が行われています。なお、休日の相談対応は2026年分の申告から行わない予定とされているので、平日に行けるよう計画しておきましょう。
相談に行くときのコツ
- 早めに行く:3月は特に混雑します。2月中か、期間前の税理士会の相談会がおすすめです。
- 書類をそろえて行く:源泉徴収票、副業の収入と経費の記録、マイナンバーカード(とパスワード)がないと、その場で申告できないことがあります。
- 探し方:「お住まいの市区町村名 確定申告 相談」で検索すると、その年の日程が見つかります。
よくある質問
Q. 副業でいくら稼いだら確定申告が必要ですか?
A. 会社員(給与を1か所から受け取り、年末調整を受けている人)の場合、副業などの給与以外の所得が年間20万円を超えたら、原則として確定申告が必要です。
Q. 20万円は「収入」と「所得」のどちらで判断しますか?
A. 業務委託やネット副業などは、収入から必要経費を引いた「所得」で判断します。副業がアルバイトなどの給与の場合は、経費を引かない「収入金額」で判断します。
Q. 副業の所得が20万円以下なら、何もしなくていいですか?
A. いいえ。所得税の確定申告は原則不要ですが、住民税の申告はお住まいの市区町村に必要です。また、医療費控除などで確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も含めて申告します。
Q. 確定申告の期間はいつですか?
A. 例年2月16日〜3月15日です。期限が土日祝日にあたる場合は翌平日になります。税金が戻るだけの還付申告は、1月から5年間提出できます。
Q. 確定申告に必要な書類は何ですか?
A. 主に、源泉徴収票、副業の収入と経費が分かる記録(帳簿・領収書など)、マイナンバーカード、控除を受ける場合の証明書、還付金を受け取る口座の情報です。
Q. スマホだけで確定申告できますか?
A. できます。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」でスマホから申告書を作成し、マイナンバーカードを使ってe-Taxで送信できます。スマホにマイナンバーカードの機能を入れていれば、カードを読み取らずに送信することも可能です。
Q. 確定申告を忘れたらどうなりますか?
A. 期限後でも申告はできるので、気づいたらすぐに申告してください。納める税金がある場合は、延滞税や無申告加算税がかかることがあります。期限から1か月以内の自主的な申告で、期限内に全額納付しているなどの条件を満たせば、無申告加算税はかかりません。
Q. 副業でも青色申告はできますか?
A. 青色申告ができるのは、事業所得・不動産所得・山林所得がある場合です。雑所得では利用できません。利用するには、原則として青色申告をしたい年の3月15日まで(その年の1月16日以後に開業した場合は開業から2か月以内)に、税務署へ承認申請書を提出する必要があります。
Q. 自分で確定申告書を作るのが不安です。どこに相談できますか?
A. 税理士会の無料申告相談、市区町村の申告相談会場、税務署の確定申告会場などで、無料で相談できます。日程や対象者は地域によって異なるので、「お住まいの市区町村名 確定申告 相談」で調べてみてください。
まとめ
会社員の副業は、所得が年間20万円を超えたら確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は必要なので、「何もしなくていい」わけではありません。
確定申告は、国税庁の作成コーナーやスマホを使えば、以前よりずっと手軽にできるようになりました。それでも、初めての方は迷うところが多いはずです。税理士会や市区町村の無料相談を活用して、確認しながら申告することをおすすめします。期間は例年2月16日〜3月15日なので、カレンダーに書き込んで、早めに準備を始めましょう。
※この記事は、執筆時点の制度をもとに一般的な内容を解説したものです。具体的な申告内容については、国税庁のホームページや税務署、税理士などにご確認ください。
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